2014年第3回定例会一般質問(9月19日)

【質問者:道下大樹】
 次に、防火対策と火災警報器について伺います。

<防火対策と火災警報器について>
1.プレハブ建築物の防火対策について

 今年8月30日に宗谷管内の枝幸町で土木工事会社の作業員宿舎が火事で全焼し、結果として5人が亡くなられた痛ましい火災が発生しましたが、火災の原因は、プレハブ2階建ての宿舎の1階の物入れに集められていたタバコの吸い殻から火が出て、ストーブに灯油を供給するホースに引火して燃え広がった可能性が高いと見られています。

 道内の建設現場などに同様のプレハブ居住施設が設置されているのをよく見かけます。プレハブ居住施設は仮設建築物として、その用途や規模等に応じて消防法により防火対策が義務付けられていますが、建築基準法上はこうしたプレハブ居住施設の届出義務はなく、その数や設置時期など実態把握がなされていないのが現状です。

 そこで、今回のような火災死亡事故が二度と起こらないよう、プレハブ居住施設の消防設備点検や安全対策の周知徹底の強化を図るべきと考えますが、知事の所見と今後の取り組みを伺います。

【答弁者:総務部 危機管理監】
 プレハブ居住施設の防火対策についてでありますが

 消防法では、プレハブ建築物であっても、通常の建築物と同様、それぞれの規模、用途等に応じて消防用設備等の設置が必要とされている。

 道では、これまで住宅用火災警報器の設置や火災予防などについてホームページによる周知を行っているほか、それぞれの地域の消防本部に対し防火査察の実施や防火対策指導の強化などについて通知しているところ。

 今後、消防機関など関係機関と連携を図りながらプレハブ建築物も含め、消防用設備の設置の必要性について更に周知・普及啓発に努めるなど防火意識の向上に向けた取り組みを進めてまいる。

【道下大樹】
2.一酸化炭素警報器の導入について

 2011年から熱や煙を感知する火災警報器の設置が住宅にも完全義務化され、消防庁の調べによると今年の道内における住宅用火災警報器設置率は84.8%で全国平均79.6%を上回っています。

 日本では熱や煙を感知する警報器の設置が義務化されていますが、アメリカでは1970年代から州毎に法律で義務化されるとともに、近年では1998年にウエストバージニア州で住宅用一酸化炭素警報器の設置も州の法律によって義務化され、現在では50州のうち39州で義務化、また、カナダ、イギリス、スウェーデンでも一酸化炭素警報器の設置を法律で義務付けていると承知しています。

 2013年の道内での火災による死者は71人、そのうち死因が一酸化炭素中毒・窒息であるのは37人と約52%を占めています。今回、枝幸町で発生したプレハブ火災で亡くなられた5人のうち、4人の死因は一酸化炭素中毒だったと道警は発表しています。

 熱や煙を感知する火災警報器は鳴ったけれども逃げ遅れ、その間に一酸化炭素を吸って体が動かなくなり、声も出ず、息もできずに亡くなるということも考えられますが、一酸化炭素は、出火場所以外のところに煙より早く広がる恐れがあり、無色で無臭の一酸化炭素を人間が五感で感知することは困難です。

 そこで、火災による被害を最小限に食い止めるべく、一酸化炭素警報器の設置推進や義務化について、道から総務省など各関係機関に要請すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

【答弁者:総務部 危機管理監】
 火災による一酸化炭素中毒への対応についてでありますが

 住宅火災で死亡した要因で最も多いのが逃げ遅れによるものであり、火災から身を守るには、できるだけ早い段階で危険を覚知し、避難することが極めて重要であることから、消防法により、プレハブも含めた一戸建住宅、共同住宅等において、住宅用火災警報器の設置が義務化されているところ。

 国では、火災予防効果やコスト面などを総合的に勘案し、住宅用火災警報器については、煙又は熱感知型としたところであり、具体的には、市町村が条例で定めることとされている。

 道としては、住宅用火災警報器の普及・啓発に取り組むことはもとより、火災による死者を一人でも減らすため、死因の中で最も多い一酸化炭素中毒・窒息の要因や対策について、国に対し、調査・研究などを要請してまいりたい。